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ホーム > 社長が訊く、アメイズプラスのデザインの裏側。チームを牽引するデザイナーのこだわりとは。
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社長が訊く、アメイズプラスのデザインの裏側。チームを牽引するデザイナーのこだわりとは。

デザインの裏側-01

「amepla(アメプラ)のデザイン、クリエイティブはヤバいね」。

アメイズプラスは最近、社外の方々から、そう評価されることが増えた。商品力だけでなく、デザインの力でブランドの世界観を伝え、お客様の心を動かす。その中心を担うのが、デザインチームだ。

今回は、山本社長がチームを牽引するデザイナー陣に、クリエイティブの裏側にあるこだわりについて深く掘り下げていきます。

山本社長:アメイズプラス代表。普段は商品企画や開発をサポート。インタビューでは聞き手としてデザイナーのこだわりに迫る。

和田さん:LPやブランディング、カフェのデザインを担当。物語性を重視した感覚的なビジュアル表現が得意。

野田さん:LP制作が主。ターゲットを深く研究した企画デザインが得意。そのスタイルは変幻自在と評される。

田中さん:Webデザインに加え、未経験から店舗の空間デザインも担当。実店舗の売り場作りなどを手掛ける。

鈴村さん:別日にオンラインで参加。大ヒット商品「ケアストレートブラシ strainia (ストレーニア)」のパッケージデザインを担当。開封までの体験価値を重視し、細部までこだわり抜く。

物語を伝える「ブランドイメージ」の作り方

ブランドが持つ世界観やストーリーを、一枚の画に落とし込む。

和田さんは、感覚に訴えかけるビジュアル表現を得意とするが、しかし、そこには感覚だけではないロジックが伴っていた。

山本社長:和田さんのデザインに取り掛かる前の、リサーチの進め方を教えてもらえますか?

デザインの裏側-02

和田さん:私の場合は、結構キーワードから作るタイプです。「シンプル」「ユニセックス」「柔らかい」といった言葉をまずディレクターと話し合って整理します。

その言葉からイメージしやすい画像を探していく、という流れで作っていますね。

野田さん: 私と田中さんは結構似ていて、まずはいろんなものを一つのフォルダにバーッと集めてストックしていくタイプですね。

作り始めてから迷わないように、先に頭の中で世界観を固めておきたいので、リサーチの方にすごく時間をかけます。

山本社長:なるほど、人によってアプローチが違うんですね。このATELIER ROUGE(アトリエルージュ)のLPでは、ブランドイメージを伝えるためにどんな工夫をしたんですか?

デザインの裏側-03

和田さん:ここでは、コラージュのように複数のシーンを組み合わせて、ワンビジュアルで商品の持つ世界観を伝えたかったんです。色々な画像を散りばめることで、物語性を演出しています。

山本社長:映画のワンシーンを切り取ったような雰囲気がありますね。

和田さん: 実はこれ、LPで漫画の縦読みの手法を参考にしているんです。大きい画像から小さい画像に移ると、視線が引っかかる効果があって。漫画のコマ割りのように、視線誘導をうまく使えるように意識しました。

山本社長:お二人は、和田さんのデザインを見てどう思いますか?

デザインの裏側-04

野田さん: 和田さんが作るものって、理屈じゃなくて、感覚でいつも訴えかけてくるんです。

言葉がなくても「いいな」と思えるビジュアルを作っているので、すごいなと。雰囲気作りがすごく上手で、私には作れないなって思います。

山本社長:なるほど。こちらのLP(眼精ピロー)は、また雰囲気が違いますね。

デザインの裏側-05

和田さん: これはもともと、開発者から「商品と人を空に浮かせたい」というオーダーがあったんです。

目元に使うデリケートな商品なので、「ゴリゴリ」した感じではなく、使用後の「軽さ」や「すっきり感」を表現したいと。そのイメージを、羽を散らすことで表現しました。

山本社長:キーワードをビジュアルに落とし込んで、ディレクターにプレゼンするわけですね。ディレクターは厳しいですか?

デザインの裏側-06

和田さん: 厳しさもありますが、ディレクターさんもデザインのことをすごく分かってきていて、言語化能力が高いんです。

だから、「その表現は違うよね」といった話し合いができますし、私たちをリスペクトして、客観的な意見を伝えてくれます。

野田さん: そうですね。ちゃんと意味を説明できないと、「なんとなく、これが良かったんで」では、仕事として通用しませんからね。

ターゲットの心を掴む「企画デザイン」の神髄

WebサイトのLPは、お客様が商品と出会う重要な接点。

野田さんはLP制作において、デザインの美しさだけでなく、ターゲット層のインサイトを深く掘り下げた「企画」の視点を重視しています。

山本社長:野田さんが手掛けたこのゴルフシューズのLP、すごく読みやすくて、デザインも素晴らしいなと。これは何か意図して作られたんですか?

デザインの裏側-07

野田さん: ありがとうございます。これは、かなりゴルフ雑誌を読み込みました。

山本社長:やっぱり!僕もゴルフをするから、いつも読み慣れているゴルフ雑誌を見ているような感覚で、すごく内容が入ってきたんですよ。

野田さん: そう言っていただけると嬉しいです。雑誌を何種類か研究して、フォントや行間などを参考にして作っています。

女性向けの商品だと、パッと見のイメージ写真を大事にして、あまり読み込ませない作りにすることが多いんですが、

男性向けの雑誌は「読み物」として面白いものが多いので、読んでいて飽きないような、これを見てゴルフに行きたくなるような雰囲気で作ったつもりです。

デザインの裏側-08

山本社長:なるほど。Webデザインに、あえて紙媒体の手法を取り入れているんですね。その二つのデザインで、大きく違うのはどんなところですか?

野田さん: 紙だと四角い誌面の中に収めますが、LPは縦に長いですよね。

なので、スクロールしてどこで止まってもデザインとして成立するように、全体のトンマナ(トーン&マナー)を合わせる難しさがあります。

山本社長:このLPがきっかけでお店に来てくれるお客様も増えていると聞いています。

おじさんって、ネットで靴を買ってサイズ交換するのが、とにかく面倒で嫌いなんですよ(笑)。

だから、LPで興味を持ってもらって、店舗で試着できるという流れまで設計されているのが、すごく分かってるなと。

デザインの裏側-09

野田さん: このLPがゴルフ関連で最初の商品だったので、ターゲット層にちゃんと刺さるかな、と考えながら作りました。

山本社長:野田さんのデザインは、他の人が見たときに「野田さんのデザインだ」って分かりますか?

デザインの裏側-10

田中さん: 野田さんは結構、変幻自在にいろいろできる方なんで、一瞬わからないかもしれないです。

和田さん: いろんなデザインのテイストができますし、私からしたら憧れの目指すべきところです。型がなくて、速いスピードでクオリティの高いものを作れる。職人技だなって。

未経験から挑む「空間デザイン」のリアル

会社の成長と共に、Webだけでなく直営店やカフェといった「空間」をデザインする機会が増えてきたアメイズプラス。

その先駆けとなった直営店の立ち上げを担当したのが田中さんだ。未経験の領域に、彼女はチームでどう挑んだのか。

山本社長:最近は直営店ができたり、新しい分野のデザイン領域が増えていますよね。アメイズプラスの店舗は、どのような体制で作られたんですか?

デザインの裏側-11

田中さん: 世界観やトンマナ設計を和田さんが担当して、実際の売り場作りを私が担当しました。最初は一緒にやっていた感じです。

山本社長:空間デザインの経験はあったんですか?

田中さん: いえ、なかったので本を読んだりして学びました。最初は知識もなかったので、自分の知り得る知識と和田さんの世界観づくりのノウハウを合体させて作った、という感じです。

和田さん: 私も当時は手探りでした。1週間くらいかけて愛知県と関西の商業施設を巡って、ひたすら写真を撮って、現場で感じたものをインプットしていましたね。

デザインの裏側-12

山本社長:いつもやっているWebデザインと、空間デザインで「ここが全く違った」という部分はありましたか?

田中さん: ブランドのイメージ作りなど、通ずる部分はあるんです。でも、やっぱり「立体」なので、裏側や大きさ、人が通る動線などを考えるのが難しかったですね。

後から本で学びましたが、人を誘導するためにメインビジュアルの近くに商品を置いたり、人は左から巡っていく習性があったりとか。

そういう人間の習性を考えながら作らないといけないんだなと。

デザインの裏側-13

山本社長:Webとは違う難しさですね。サイズ感なども、実際にやってみないと分からない部分が多そうです。

田中さん: そうなんです。例えばお店の看板も、どのサイズがいいか分からなくて。会社の壁に色々なサイズで出力したものを貼ってみて、「このサイズがいいかな」と検証しました。

広い空間で見るのと会社の壁で見るのとでは全然違うので、実際に施工されるまではずっと不安でしたね。

山本社長:「これはやっちまったな」みたいな失敗はありました?

田中さん: めちゃくちゃでかい靴べらを買っちゃったことですね…。

一同: (笑)

デザインの裏側-14

田中さん: 勇者の剣みたいなのが届いて。「こんなに長さいらなかったんだ…」って。ちゃんとサイズを測って商品も買わないといけないなと学びました(笑)。

数十万個の大ヒット。商品の価値を高める「パッケージデザイン」

オンラインでインタビューに応じてくれたのは、大ヒット商品「ケアストレートブラシ strainia (ストレーニア)」のパッケージデザインを手掛けた鈴村さん。お客様が商品を手にした瞬間から始まる「体験」を、どのようにデザインに落とし込んだのか。

デザインの裏側-15

山本社長:strainia (ストレーニア)のパッケージデザインは、どのような順番で進めていったんですか?いきなり箱のデザインから入るわけではないですよね。

鈴村さん: はい。一番最初は、開発担当者からコンセプトを聞いて、ロゴの依頼があったので、まずロゴを制作しました。

その次に、商品であるケアストレートブラシのパッケージを作った、という流れですね。

山本社長:パッケージに描かれている「枯山水」の模様が印象的です。これはどういう経緯で生まれたんですか?

デザインの裏側-16

鈴村さん: 開発担当の方から、商品が「枯山水」から着想を得て生まれたというストーリーを聞いたんです。

ちょうどその時、strainia (ストレーニア)というブランドを象徴するメインの柄のようなものを作りたいと個人的に考えていたので「じゃあ枯山水っぽい柄にしよう」と思いついたのがきっかけです。

山本社長:なるほど、開発の想いをデザインに落とし込んだんですね。

鈴村さん: はい。枯山水のイメージをメインにしつつ、ブラシを上から見た時の直線的な印象も、少しだけエッセンスとして加えています。

山本社長:パッケージに、のし紙のような薄い紙が巻かれていますよね。あれにはどんな意図が?

デザインの裏側-17

鈴村さん: このブラシは、価格帯としても少し高めなので、プレゼントや自分へのご褒美として購入される方がメインになると考えました。

だからこそ、お客様が箱を見て、触って、開けるまでの全ての動作に価値を感じてもらいたかったんです。

山本社長:箱に触れた瞬間から、ブランド体験が始まっていると。

鈴村さん: はい。そのように捉えています。なので、贈答品を思わせる「のし」の雰囲気を取り入れました。

ただ、水引をそのままデザインすると少し野暮ったくなってしまうので、現代的に再解釈して、あの細い赤色のラインを入れています。

山本社長:箱のざらっとした手触りも特徴的です。紙質には、かなりこだわったのではないですか?

鈴村さん: 印刷屋さんに和紙のような雰囲気で、少し存在感のあるざらっとした紙を使いたいと希望を伝えて、何十種類もある紙を、実際に自分の手で触って決めましたね。

箱自体が重厚な雰囲気なので、中の薄紙はあえて軽く、商品のシルエットが少し透けるようなものを選んで、全体のバランスを取っています。

山本社長:この商品はテレビでも取り上げられ、何十万本もの大ヒット商品になりました。今、どんなお気持ちですか?

デザインの裏側-18

鈴村さん: かなり嬉しいですね。私が意図した「箱に触れるところから商品が始まっている」という部分を、多くの人が「いいね」と思ってくれた証拠なのかなと感じているので、本当にありがたいです。

社長が語る「アメイズプラスのデザインはヤバい」理由

山本社長:皆さんの話を聞いて、僕が思っている以上に、それぞれが事前に深く考えてデザインしているんだなと改めて思いました。

お客様が商品に触れる最初の瞬間を演出するパッケージデザイン、リアルな体験価値を創造する空間デザイン、ターゲットの心に寄り添う企画デザイン、そしてブランドの魂を可視化するビジュアル表現。

一見するとバラバラなジャンルのように見えて、実はすべて「お客様にどう価値を届けるか」という点で繋がっている。それぞれの領域で得た知見が、また別のデザインに活かされる。そんな相乗効果が、今のうちのデザインチームの面白さと強さに繋がっているのかもしれません。

昔は「アメイズプラスは面白い商品を作る会社」と言われることが多かった。でも最近は、まず「アメプラのデザイン、クリエイティブはヤバいね」と先に言われる。それが嬉しいし、ちょっと悔しい(笑)。

これからも、新しいデザインにどんどんチャレンジしていってほしいなと思います。

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